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コラム COLUMN

少子高齢化、医療の高度化、そして働き方改革により、看護師の職場は大きく変化しています。病院勤務が一般的だった時代から、今では訪問看護、企業看護師、保育園や学校の保健室、またSNSやライティングを活用した副業など、働き方の選択肢が広がっています。

夜勤や不規則な勤務、責任の重さによる心身の負担から「将来は現場を離れて働きたい」と考える看護師も少なくありません。こうした多様化したキャリアを見据えると、収入と働き方のバランスを考えた「お金の戦略」が欠かせません。

資産運用:堅実な給料を、将来に活かす方法

看護師の収入は比較的安定していますが、その反面、勤務先が変わっても給与水準の大きな伸びは見込みにくいという課題もあります。そこで重要なのが「資産運用」によって、手取り収入を将来に向けて育てていく視点です。

1. NISA・iDeCoの活用

2024年から新NISAがスタートし、つみたて投資枠と成長投資枠で年間最大360万円の非課税投資が可能になりました。毎月の給与から数万円ずつ積み立てて、長期運用で資産を増やすことが可能です。

一方、iDeCo(個人型確定拠出年金)は老後資金形成に特化しており、拠出額が全額所得控除になるという節税効果もあります。退職金や厚生年金が少なめな看護師にとって、老後の備えとして極めて有効です。

2. 看護師向けの投資スタイル

医療現場は多忙なうえ、相場の情報を頻繁にチェックするのは難しいため、看護師には「インデックス投資」や「ロボアドバイザー」など、自動化・分散化された運用スタイルが向いています。

たとえば、S&P500などの米国株式インデックスファンドを積み立てれば、経済成長とともに資産をじっくり増やすことができます。つみたてNISAやiDeCoでこうしたファンドを組み込むことで、投資初心者でも着実な資産形成が目指せます。

保険の活用:リスクに備え、安心を買う

看護師という仕事柄、病気やケガのリスク、また「万一の時の患者家族の苦しみ」を目の当たりにしている人も多いでしょう。それだけに、自分自身の万が一への備えにも高い関心があるはずです。

1. 就業不能保険の重要性

看護師の仕事は体力勝負であると同時に、感染リスクやメンタルヘルスの問題とも常に隣り合わせです。長期間働けなくなったときに備える「就業不能保険」は、収入を補う重要な備えです。

この保険は、うつ病やがん・脳疾患などで働けなくなった際に、月々の生活費をカバーしてくれます。勤務先の傷病手当金(最長1年半)を受け取った後の収入の“空白期間”を埋める役割を果たします。

2. 医療保険・がん保険の見直し

健康保険制度がある日本ですが、高額療養費制度を差し引いても、入院時の差額ベッド代、通院交通費、家族の付き添い費用など、公的保険でまかないきれない出費があります。

看護師だからこそ、「医療の現場で本当に必要なお金」が見えているはず。自分や家族のために、実費負担に備えた医療保険・がん保険の加入や見直しは大切です。

3. 生命保険で家族を守る

結婚や出産を機に生命保険の加入を検討する看護師も多いですが、子どもが小さいうちは「収入保障保険」が実用的です。定額の死亡保険金よりも、毎月一定額を支給してくれるタイプのほうが、残された家族の生活に直結するサポートになります。

お金の知識がキャリアの選択肢を広げる

将来「看護以外の仕事もしてみたい」「副業で収入を増やしたい」「いつか独立したい」と考えている人にとって、お金の知識は強力な武器になります。

投資や保険、税制に関する知識を深めれば、「お金の不安」が減り、思い切ったキャリアチェンジや副業への挑戦がしやすくなります。最近では、看護師がファイナンシャルプランナーや投資アドバイザーとして活躍する例も増えてきました。

また、資産形成の過程で培った知識は、同僚や家族、患者さんへのアドバイスにも活かせる「一生モノのスキル」です。


まとめ:未来のために、今からできること

看護師の仕事は社会にとって欠かせない尊い職業ですが、だからこそ、自分自身の人生設計にも目を向けることが大切です。

日々の仕事に追われながらも、「今ある収入をどう守り、どう増やすか」を考え、実行していくことが、将来の安心につながります。

働き方が多様化する時代において、「お金に強い看護師」は、キャリアにも人生にも自由と選択肢をもたらします。今こそ、自分の未来を自分でデザインする一歩を踏み出してみませんか?