「万一のことがあっても、うちは大丈夫だと思っています」
経営者の方とお話ししていると、よく聞く言葉です。
確かに、今は元気で、業績も悪くない。
だからこそ、あまり想像したくない話かもしれません。
ですが、あえて一度だけ、現実的な質問をさせてください。
もし明日から、あなたが半年間働けなくなったら、会社はどうなりますか?
目次
現実① 売上が一気に落ちる
多くの中小企業は、
「社長=営業責任者」「社長=現場のキーマン」です。
つまり社長が止まると、
- 新規受注が止まる
- 既存顧客の対応が遅れる
- 意思決定が止まる
売上は想像以上のスピードで落ちます。
現実② でも固定費は1円も止まらない
売上は止まっても、
- 人件費
- 家賃
- リース料
- システム利用料
- 借入返済
これらは1円も待ってくれません。
経営者が一番きついのは、
「売上ゼロ × 固定費フル稼働」の状態です。
現実③ 銀行は“待ってくれない”
多くの社長はどこかでこう思っています。
「何かあったら、銀行も事情をわかってくれるだろう」
これは半分正解で、半分間違いです。
確かに話は聞いてくれます。
でも実際は、
- 返済猶予は一時的
- 金利は発生し続ける
- 新規融資はかなり厳しくなる
つまり、資金繰りは一気に苦しくなります。
現実④ 社員は不安になり、静かに動き出す
社長が長期間不在になると、
社員は口ではこう言います。
「大丈夫です、なんとかなります」
でも心の中では、
- この会社、大丈夫かな…
- 給料ちゃんと出るかな…
- 転職サイト見とこうかな…
優秀な人ほど、静かに次の職場を探し始めます。
現実⑤ 取引先は“様子見”に入る
社長不在=経営不安定。
取引先は口には出しませんが、
- 発注量を減らす
- 新規案件を止める
- 他社と比較し始める
リスクヘッジに入ります。
これがさらに売上を削ります。
一番多い倒産理由は「死亡」ではない
多くの経営者は「万一=死亡」と考えます。
でも実際に経営にダメージが出るのは、
死亡よりも圧倒的に「就業不能」です。
- 脳血管疾患
- 心疾患
- がん
- うつ病
これらは命は助かっても、
半年〜1年以上働けないケースが普通にあります。
しかもその間、会社は止まれません。
社長の体調=会社の財務状態
かなりシンプルな話ですが、
社長が止まる
↓
売上が止まる
↓
現金が減る
↓
経営が不安定になる
つまり、
社長の健康状態=会社の資金繰り
と言っても、ほぼ過言ではありません。
まとめ
想定していない会社ほど危ない
ここまで読んで、
「うちは大丈夫」と思えたなら、それは素晴らしいことです。
でももし少しでも、
- ちょっと不安かも
- 考えたことなかった
- 数字で答えられない
そう感じたなら、
それは経営者として“一度も想定していないリスク”です。
リスクで一番怖いのは、
「起こること」ではなく「想定していないこと」です。