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コラム COLUMN

前回のコラムでは、生命保険の基本である「終身保険と定期保険の違い」について解説しました。今回は、人生の中で最も大きな保障が必要となる「子育て世代」に焦点を当て、家族の未来を守るために非常に合理的で優れた仕組みを持つ「収入保障保険」について詳しくお話しします。

結婚し、子供が誕生すると、私たちの守るべきものは大きく増えます。「もし今、自分に万が一のことがあったら、残された家族は今の生活水準を維持できるだろうか?」「子供が希望する進路に進ませてあげられるだろうか?」——そんな不安を抱える方は多いでしょう。この不安を安心に変えるのが、生命保険の役割です。

子育て世代に必要な保障額の考え方

子育て世代において、万が一の際に必要となる資金(必要保障額)は、人生の中で最も高額になります。残された家族の生活費、子供の教育費、住居費などを合算すると、数千万円、場合によっては1億円近くに上ることもあります。

しかし、この「必要保障額」は、時間が経つにつれて徐々に減少していくという重要な特徴があります。

例えば、子供が0歳の時に万が一のことがあった場合、子供が大学を卒業して独立するまでの約22年分の生活費と教育費が必要です。しかし、子供が10歳になった時に万が一のことがあった場合は、残り12年分の費用で済みます。つまり、**子供の成長とともに、残された家族に必要な資金の総額は右肩下がりに減っていく**のです。

四角い保険(定期保険)のムダ

一般的に、大きな保障を準備するためには「定期保険」が使われます。例えば「保険金額3,000万円、保険期間60歳まで」といった契約です。

この場合、加入した翌日に亡くなっても3,000万円、59歳で亡くなっても3,000万円が支払われます。グラフにすると四角い形になるため、「四角い保険」とも呼ばれます。

一見すると安心感がありますが、先ほど説明した「必要保障額は右肩下がりに減っていく」という事実と照らし合わせるとどうでしょうか。子供が独立間近になり、本当は1,000万円の保障があれば十分な時期にも、変わらず3,000万円の保障を持ち続けていることになります。これは、必要以上の保障に対して高い保険料を支払い続けている状態であり、家計にとって「ムダ」が生じていると言えます。

合理的な「三角の保険」:収入保障保険

この「四角い保険のムダ」を省き、必要保障額の減少に合わせて保障額も減っていく合理的な保険が「収入保障保険」です。グラフにすると右肩下がりの三角形になるため、「三角の保険」とも呼ばれます。

収入保障保険の最大の特徴は、保険金の受け取り方です。万が一のことがあった場合、一度に数千万円をまとめて受け取るのではなく、「毎月15万円」や「毎月20万円」といったように、お給料のように毎月(または毎年)分割して保険金を受け取ります。

収入保障保険の仕組み

例えば、「毎月15万円、保険期間60歳まで」という収入保障保険に30歳で加入したとします。

  • 30歳ですぐに亡くなった場合:
    残りの30年間(360ヶ月)、毎月15万円が支払われます。
    総受取額:15万円 × 360ヶ月 = 5,400万円
  • 45歳で亡くなった場合:
    残りの15年間(180ヶ月)、毎月15万円が支払われます。
    総受取額:15万円 × 180ヶ月 = 2,700万円
  • 55歳で亡くなった場合:
    残りの5年間(60ヶ月)、毎月15万円が支払われます。
    総受取額:15万円 × 60ヶ月 = 900万円

このように、時間が経過するにつれて受け取る総額が減少していきます。これはまさに、残された家族の「必要保障額の減少」にぴったりと寄り添う形になっています。

収入保障保険の3つの大きなメリット

子育て世代にとって、収入保障保険には主に以下の3つのメリットがあります。

1. 保険料が圧倒的に安い

収入保障保険は、時間の経過とともに保険会社が支払う保険金の総額が減っていく仕組みであるため、同程度の最大保障額を持つ定期保険(四角い保険)と比較して、**保険料が大幅に安く設定されています**。子育て中は何かとお金がかかる時期です。保険料の負担を抑えつつ、必要な時に十分な保障を確保できるのは非常に大きな魅力です。

2. 生活費として管理しやすい

数千万円という大金を一度に受け取ると、気が大きくなって無駄遣いをしてしまったり、親戚から借金を申し込まれたり、投資話に騙されたりするリスクがあります。収入保障保険のように「毎月15万円」とお給料のように振り込まれる形式であれば、残された家族は家計のやりくりがしやすく、計画的に生活費や教育費に充てることができます。

3. 一括受取も選択可能

原則は毎月受け取りですが、多くの収入保障保険では、必要に応じて「一括受取」や「一部一括受取」を選択することも可能です。例えば、子供の大学入学時など、まとまった資金が必要になった場合には、将来受け取る予定の保険金の一部を前倒しで一括で受け取ることができます。(※ただし、一括で受け取る場合は、将来の利息分が割り引かれるため、受取総額は毎月受け取る場合よりも少なくなります。)

遺族年金との組み合わせ

収入保障保険の保障額(毎月いくら受け取るか)を決める際、忘れてはならないのが公的な「遺族年金」の存在です。

会社員(厚生年金加入者)に万が一のことがあった場合、残された妻と子供(18歳到達年度の末日まで)には、「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」が支給されます。この公的な遺族年金だけで、毎月十数万円程度が支給されるケースも少なくありません。

したがって、収入保障保険で準備すべき金額は、「残された家族に必要な毎月の生活費」から「公的な遺族年金の月額」と「配偶者の働くことによる収入」を差し引いた不足分ということになります。公的保障をしっかりと計算に入れることで、さらに保険料のムダを省くことができます。

まとめ

今回は、子育て世代に最適な「収入保障保険」について解説しました。

  • 子育て世代の必要保障額は、子供の成長とともに減少していく。
  • 収入保障保険は、お給料のように毎月保険金を受け取る仕組みで、必要保障額の減少にぴったり合った合理的な保険である。
  • 定期保険に比べて保険料が安く、生活費として管理しやすいというメリットがある。

「家族を守りたい」という思いは大切ですが、必要以上の保険料を支払って現在の生活を圧迫してしまっては本末転倒です。収入保障保険を上手に活用し、家計に優しく、かつ安心できる保障を準備しましょう。

次回は、私たちが生きていく上で避けて通れない病気やケガのリスクに備える「医療保険」の選び方について、最新の医療事情を踏まえて解説します。